どらまちっく・ひすとりー 旅とともに...
★ ロマノフ王朝の秘宝 ★
 カール・ファベルジェ作/クレムリン博物館 (モスクワ)
「クレムリン・エッグ」   
ロマノフ王朝最後の皇帝、ニコライ2世夫妻ゆかりの至宝

世界に名高いロシアの宝石職人カール・ファベルジェが皇帝ニコライ2世の命を受けて制作した50数個のインペリアル・イースターエッグの中の一つで、1903年の復活祭にニコライ2世と皇后アレクサンドラ・フョードロヴナがモスクワを訪問したことを記念して制作されたもの。台の内部にはオルゴールがあり、金色の鍵でぜんまいを巻くと、二つの復活祭の曲が流れる。皇帝夫婦がキリスト受難週間と復活祭の週間をモスクワで過ごした時にニコライ2世が気に入ったメロディーを用いたといわれる。
 白の透明なエマイユで覆われ、研磨した金の円屋根を頂いた卵の装飾は、ウスペンスキー大聖堂の建築物に由来している。また、赤金製の台はクレムリンのふたつの塔、スバスカヤ塔とヴォドヴズヴォドナヤ塔を再現したもの。塔の壁には透かし編みの格子がはめられ壁上にはエマイユの技術でロシア帝国とモスクワの紋章が描かれている。ファベルジェが率いた画家、エマイユ職人、宝石細工師や金細工師たちの仕事の集大成であり、ロシアの伝統的なデザインやモチーフに影響を受けた20世紀初頭のモダニズムスタイルで制作されている。

 


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インペリアル・イースターエッグ(Imperial Easter Egg)

 本来、イースターエッグは卵そのものに色や絵で着色を施したものだが、インペリアル・イースターエッグは宝石細工を施された特別豪華なもの。ロマノフ王朝のアレクサンドル3世とニコライ2世が宝石職人カール・ファベルジュに依頼して作らせ、まさに「ロマノフ王朝の秘宝」と呼ばれるにふさわしい至宝である。
 1885年から1917年の間に58個作られたが、ロシア革命後、世界中に散らばってしまい、現在所在が確認されているのは44個で、14個が行方不明になっている。オークションに出品された場合、10億円の値打ちが出るものもあるという。モスクワのクレムリン博物館(武器庫コレクション)では、その一部が見ることができる。


※イースターエッグ
イースター(復活祭)とは、キリスト教とは関わりなく古来からあった「春の収穫を祈る祭り」のこと。北方神話に登場する春の女神「Eostre」が語源といわれ、大きな力を宿す存在とされた卵に彩色をする習慣があった。これが十字架にかけられた後に復活したとされるイエスのイメージと重なるため、 キリスト教の世界ではイースターに親しい友人の間で彩色した卵を贈り物として交換したり飾りとして用いる習慣があり、「イースター・エッグ」と呼ばれる。