国立新美術館で開催中の「THE ハプスブルク」に行ってきました。歴史関連書籍などでおなじみの歴代皇帝や皇妃エリザベートの肖像画を始め、ハプスブルク家の貴重なコレクションが数多く展示されました。イタリア、ドイツ、スペインなどの絵画コレクションのほか、工芸品なども素晴らしい展示でした。 |
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ハプスブルク家の肖像画 | ||||
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細長い面ざしと突き出た顎―。ハプスブルク一族の顔の特徴がよく表現されたルドルフ2世の肖像画が展覧会のトップを飾っていました。大帝国を治める皇帝としては少々風変りな人物だったルドルフ2世ですが、その人となりを伝えるという点で優れた肖像画と言えます。 |
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「神聖ローマ皇帝 ルドルフ2世」 |
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私にとって、ハプスブルクと言って最初に思いつく人物がマリア・テレジアで、そして、その憧れのイメージがこの少女時代の肖像画でした。 |
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「11歳の女帝マリア・テレジア」 |
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「オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世」 |
「ハンガリーの軍服姿の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世」 |
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ハプスブルクの皇帝の中でも私の敬愛するフランツ・ヨーゼフ1世の肖像画が2枚出品されていました。どちらもとても見応えがありました。フランツ・ヨーゼフというと「シシィ」こと皇妃エリザベートの夫として知られていますが、19世紀から20世紀にかけての激動の時期に沈みゆく帝国の統治に生涯を捧げたハプスブルク家歴代皇帝の中でも名の知られた人物です。まだ暗いうちから一人で執務室にこもって膨大な書類に目を通し、孤独な皇帝としての責務を果たし続けた勤勉で実直な皇帝です。華美なところもなく、いわゆる英雄的な偉大さとは無縁なのですが、一つの理想的な君主像として私の中に存在しています。 |
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「オーストリア皇妃エリザベート」 フランツ・クサファー・ヴィンターハルター 1865年 |
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ヴィンタハルターの描いたエリザベートの肖像画 2作品 (参考) |
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美術収集室の美術工芸品 | |||
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「ココナッツ脚杯」 ミヒャエル・ケーベルリン |
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マルコ・ポーロもココナッツ・ミルクの効能を大いに称えたことで知られたように、16世紀にはココナッツは薬効のあるものとして珍重されていました。サナダムシや熱病、腎臓や膀胱疾患に効き、媚薬としても用いられていたそうです。また、ココナッツの殻は、毒薬の存在を知らせる働きがあると18世紀まで信じられていたそうで、飲み物の容器としてよく用いられたとか。 |
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女帝マリア・テレジアの母である皇帝カール6世妃のマリア・クリスティーネの持ち主とされているこの豪華で可憐なセンターピースは、一家の人々の記念碑的な性格を持っている大変興味深い一品です。 |
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「シャーベット用センターピース」 |
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「掛時計」 1700年頃 | |||
白みがかり、所どころ、半透明の石英部材をいくつか組み合わせた環状の板の表面に、様々な玉石でできた果物がはめ込まれています。上部ではウソドリが桜桃を、下部ではゴシキヒワがプラムをつついています。 このプラムと右側のブドウは研磨された紫水晶で、丸く浮き上がり、艶やかな立体感で、平面から浮き上がっています。 |
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次回更新に続きます! |