▲「非難を逃れて」 ペレ・ボレル・デル・カソ |
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渋谷のBunkamuraで開催された「奇想の王国 だまし絵展」に行ってきました。私が鑑賞したのは、最終日の2日前の8月14日(金)の夕方―。人気があって混雑しているとは聞いていたのですが、チケット購入の列ができていて15分待ちと想像以上でした。この美術館はいつも比較的ゆったり見れるので、ちょっととまどいました。渋谷という場所柄もあるのか、会場はデート中と思われる若いカップルの姿が多く、いつもの美術展の会場の雰囲気とちょっと違ってました。そして、みんな1枚1枚よ〜く絵を見て、「あーだ、こーだ」といろいろ語ってます。それらに耳を傾けながら、たくさんある作品を飽きることなく鑑賞することがきました。 |
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トロンブルイユの伝統 | |||
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大航海時代以降、ヨーロッパの王侯貴族の多くが世界中の珍しいものを集めることに熱中し、「驚異の部屋」と呼ばれる陳列室を屋敷に設けました。 |
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★「食器棚」 |
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★「狩りの獲物のあるトロンブルイユ」 |
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「状差し」とは柱や壁に掛けて受け取った手紙・はがきなどを入れておくもののことを指しますが、当時の状差しは壁に固定されたひもやバンドに身の回りの物を挟み込んでいました。17世紀後半以降、この状差しのモチーフはトロンブルイユの典型的な意匠として人気があったそうです。絵を額に入れずに直接壁に貼ると、そのまんま騙されそうです。 |
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アメリカン・トロンブイユ | |||
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右下の紙には、「このインコは南米で生まれ、パリで育ち、長い年月を経てフランス語をマスターするに至った。20歳で死んだ後、はく製にされ、今ここにある」とフランス語で書かれているそうです。フランスに渡って絵画を学んだ画家自らの半生をこのインコに置き換えて表現したようで、ほのぼのとしつつも物悲しいウィットに富んでいます。 |
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イメージ詐術 (トリック) の古典 | ||||
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18世紀のイギリスを代表する国民的画家であったホガースの遠近法に関する書物の口絵。「遠近法を知ることなく図を描けば、誰でもこの口絵のようなバカなことになることは免れないだろう」と書かれているそうです。 |
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果物や野菜、魚などを組み合わせ奇妙なアンチンボルドの肖像画は、好き嫌いは別として、強烈なインパクトという面ではピカイチでした。 |
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「ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世」 |
「水の寓意」 |
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日本のだまし絵 | |||
描表装 掛軸の画面の周囲の表具を手描きし、画面の内と外という境界を曖昧にすることによって虚構と現実の区別を曖昧にするもの。 |
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描表装は、いわゆる「だまし絵」とは違いますが、見る者の目の錯覚を期待して描くという点では、「だまし絵」の延長上にあるともいえます。まるでホンモノの木製ボードや戸棚のように描かれた作品が「トロンブルイユの伝統」のコーナーに数多く展示されていましたが、この描表装では風帯や一文字、中廻しなどの表装がすべて手描きされています。 |
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★「正月飾図」 鈴木 其一 (左) |
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国芳の寄せ絵の中でも最も有名な作品だそうで、お見事としか言いようのない出来栄えです。 |
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「なまづ」という文字を猫を使って描き、「つ」の点々には「毬」が使われているユニークな作品。 |
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「影絵遊び」は江戸後期に大流行し、指南書もたくさん出版されたとか。「宴会芸のハウツーもの」的なものだったそうです。 |
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20世紀の巨匠たち | ||||
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7点展示されていたマルグリットの作品の中で一番気になった作品です。 |
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★「ベルべデーレ (物見の塔)」 1958年 |
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★「昼と夜」 1938年 |
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マウリッツ・コルネリス・エッシャーの作品が7点展示。どれも視覚の錯覚などを利用した謎解きのような絵で、私を含め多くの人が1枚1枚をじっくり鑑賞していました。エッシャーの絵は、ぱっと見だとわからないけど、じっくり見れば見るほどおもしろい! 人にはない特殊な頭脳と感性に脱帽しました。 |
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見てくださってありがとうございます。 今回はここまで。 なかなか完成しなくって、申し訳ないです! |