居間

★執務室

国王の執務室は同じロマネスク様式で、樫の木を使ったシックな雰囲気。壁にかかった絵画の題材は、ワーグナーのオペラ作品に影響を受けて「タンホイザー」と「ヴァルトブルク城の歌合戦」。
 右側の絵画が「ヴェーヌス山のタンホイザー」で、吟遊詩人タンホイザーは女神ヴェーヌスの誘惑に負け、洞窟に入り官能の快楽に溺れてしまう。ルートヴィッヒはこの絵がもとで執務室に続く空間に「洞窟」を造ることを思いついた。



★寝室
 孤独を愛した王の寝室は凝った装飾がなされた豪華で落ち着いた雰囲気の寝室が好みだった。ベットの天蓋と側面の木彫りは特別見事で、足側の木彫りは「眠りと死を象徴的に暗示するキリストの復活」が描かれている。王は191cmもあった長身だったので、ベットも特大。壁には「トリスタンとイゾルデ」の場面が描かれている。
 1886年6月、王位を剥奪されたルートヴィッヒ2世はこの寝室で逮捕され、ベルク城に護送された。
 


★居間
 大きなサロンと柱で仕切られた「白鳥の間」からなる部屋で、「ローエングリン」の伝説にまつわる絵画が飾られている。ルートヴィッヒは、「白鳥の間」の小さな空間で読書や瞑想など孤独な時間を過ごすのを好んだ。
 部屋の中央のシャンデリアは48本のロウソクの立つ豪華なもの。また、ニュンフェンブルクの陶器でできた白鳥の形をした花瓶なども飾られている。

洞窟
★洞窟

居間と執務室の間に人工の小さな洞窟を造り、城の4階とは思えない空間を演出している。 ここに続く執務室に「タンホイザー」を題材にしている絵画が飾られているが、この洞窟はその中に描かれているヴェーヌスの洞窟を再現させたもの。
 ミュンヘンの風景造形家のディリゲルの作で、粗麻と石膏が使われている。


★更衣室

居間と寝室の間には王が着替えをする更衣室がある。部屋の壁絵は「中世騎士道の恋愛詩人フォーゲルヴァルデの生涯」。

廊下
廊下
★歌人の広場

ルートヴィッヒが敬愛したワーグナーの「タンホイザー」は、アイゼナハ近郊のヴァルトブルク城で13世紀に詩人の歌合戦が開催されたという史実をもとにしたもの。ルートヴィッヒ2世はタンホイザーにちなんでこの城に「歌人の広間」を設けることを熱望し、この広間を中心にこの城を建てさせた。
 大きさと設計はヴァルトブルク城の「歌人の間」を参考にしているが、装飾ははるかに豪華。壁の絵画の多くは、ワーグナーがオペラの題材とした「パルシファル伝説」。

★玉座の広間  詳細ページ→

4階と5階の吹き抜けになっており、天井から900kgもあるシャンデリアが下がる豪華な広間。


婦人の館は王の死後1890年より建てられたものだが、上の中庭の谷側を遮るために建てられたため、内部はほとんど工事がされていないまま。
騎士の館も同様で、工事がほとんど行なわれないまま今日に至っている。騎士の館の2階には事務所が設けられており、城の建築終了後は管理人の住まいになるはずだった。
城門館の3階には、建築中に王が滞在できるように王の住居が作られていた。
◎中庭のの部分は、実際には建築されずに終わった塔の基礎の部分。

★調理場
丸天井の広い空間に白い化粧しっくい柱が支え、シンプルなつくり。温水の出る給水設備や完全自動回転串の野鳥獣グリルがあり、食器を温めるプレートウォーマーも壁に埋め込まれていて、当時としては最新の設備が整っていた。隣には調理人の休憩室もある。

                                       中庭から王の館
中庭から見た王の館の正面
調理場
 
ノイシュヴァンシュタイン城
Neuschwanstein

 
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お城の見所のハイライトを紹介しています。内部は撮影できないので、絵はがきなどの写真を使用しています。