女奴隷の身分からスルタンの正式な妻の座へ | |||
こと |
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ヒュッレム・スルタン | |||
時は16世紀、広大な領土を有し、ヨーロッパ諸国を震撼させた最盛期のオスマン帝国。その最盛期に君臨した偉大なスルタン スレイマン大帝の寵愛を受け、 後宮の女奴隷の身分からスルタンの正式な妻の座へと登り詰めたのがヒュッレム・スルタン (150? ~1557)。「ロシア人の女」という意味の「ロクセラーナ」という通称でも親しまれています。ウクライナの寒村から身体一つで栄光をつかんだ したたかなロクセラーナの愛と憎しみの物語です。 | |||
世界史美女図鑑 | |||
★ タタールの盗賊にさらわれる! ★ | |||
1510年、後にオスマン帝国の后妃となるヒュッレムはロシア南部のウクライナのルテニア地方の寒村に生まれました。父親はギリシア正教会の司教をしていたと言われています。アレクサンドラの生地ルテニアは、ウクライナ西部のカルパチア山脈の辺りを指しますが、当時のウクライナはポーランドとリトアニア公国に分割され、人々は細々と農業を行ない、その生活は貧しいものでした。 |
▲▼19世紀に活躍したフランス人画家ジャン=レオン・ジェロームの奴隷市場を題材にした作品。ジェロームは東方を題材にした歴史的な風俗画を得意とし、奴隷市場やハーレムなどを数多く描いた。上下どちらが実際のイメージに近いのか!? |
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★スルタンの側近・イブラヒムの元へ★ |
イエニチェリ 若き日のスレイマン1世 |
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この「イブラヒム」というタダならぬ雰囲気を醸し出した凛々しい顔立ちの男は、時のスルタン「スレイマン1世」の側近中の側近、宮廷の実力者でした。 |
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★ 未来を切り拓くオダリスク修行 ★ |
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イブラヒムの屋敷で暮らすようになったアレクサンドラは、セリム1世の寵愛を受けた後にさる高官に降嫁したという過去を持つ中年の貴婦人により、オダリスク教育を受けました。オダリスクとは、「君主の居室」を意味するトルコ語ハス・オダルク(Has
Odalık)から訛った言葉で、宮廷のハレームに住まう女性たちのことを指します。 |
若き日のフッレムとされる肖像画 |
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