第2回十字軍遠征に参加したフランドル伯ディードリックが、1149年に帰路でコンスタンチノープル(現イスタンブール)に立ち寄り、「キリストの血」とされる液体を持ち帰り、一族の礼拝堂に奉納しました。礼拝堂の名称は、「聖なる血=聖血」が由来となっています。
2層からなる構造になっており、1階はロマネスク様式のバシリウス礼拝堂で、2階には19世紀に増築されたネオゴシック様式の礼拝堂があります。 この礼拝堂は歴代のフランドル伯だけでなく、金羊毛騎士団の祈りの場にもなり、さらに時代が下るとギルドの商人たちや州議会議員の礼拝堂になったりもしました。
ブルージュでは、毎月5月のキリスト昇天祭に「聖血の行列」が行なわれています。司祭を先頭に、聖なる血を納めた聖櫃がブルージュの街を一巡。参加する人々は福音書に関する様々なテーマで行列に加わり、華やかではあがりますが、宗教的雰囲気に包まれた荘厳なものです。金銀、宝石で作られた聖櫃は、礼拝堂の中には小さな博物館に聖なる遺品とともに展示されています。
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