写真左上:パゴダの小城、右上:花の庭、左下:庭園内の池、右下:ハーデンブルク(水浴殿)の祝宴広間 |
アマリエンブルク | |||
ロココ様式の狩猟用の小宮殿。中心にある円形状の鏡の間(→)は煌びやか。その他にも黄の部屋(休憩室)や青の小部屋などそれぞれ違った華やかさです。 |
★祝宴広間 本館入り口中央部の大広間。ロココ調の漆喰細工が煌びやか。中央ヴィース教会の建築も手がけたヨーハン・ツィンマーマンによるフレスコ画『女王フローラに敬意を表するニンフ』(→)が見事。 |
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★選挙侯妃の寝室 この部屋でルートヴィッヒ2世も誕生したと言われる部屋。深緑で統一されシックで落ち着いた雰囲気。 |
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★美人画ギャラリー ルートヴィッヒ1世がヨーゼフ・シュティーラーに描かせた36点の美人画が展示されている。王女から女優、庶民の娘など階層に関係なく、ルートヴィッヒ1世の美の理想の女性が選ばれている。 |
ミュンヘン市の西の端に位置するバイエルン選挙候や国王の夏の離宮。1662年、選挙候フェルディナンド・マリアは、結婚10年目にようやく待望のマックス・エマヌエルが誕生したことを記念して、夏の別荘の建築を思い立ちました。
時は絶対王政期、当時の宮殿の建設は王家の権力の誇示の意味合いが大きく、バイエルンでも王宮をはじめ、城や広場など様々な大規模建築が行なわれていました。
こうした状況の中、1664年、ニンフェンブルクの離宮は、テアティナー教会の設計で知られるイタリア人建築家アゴスティーノ・バレリにより建設がスタート。次のマックス・エマヌエル選挙侯の時代にほぼ完成しました。
ニンフェンブルクの魅力は、その広大で美しい庭園にありますが、これはフランス人の造園技師がベルサイユ宮殿庭園を手本に設計したものです。庭園内には、狩猟用の宮殿アマリエンブルクや室内浴場のあるハーデンブルクなどの小宮殿が点在しており、見所となっています。
ニンフェンブルクは、その後も歴代の君主により幾度も拡張工事がなされて現在の姿になり、バロック様式、ロココ様式などヨーロッパ芸術の醍醐味を味わせてくれる宮殿となりました。
1845年には「メルヘン王」と呼ばれるルートヴィヒ2世も、このニュンヘンベルクの離宮で誕生し、盛大な洗礼式が本館の祝宴広間で行なわれています。