初期ネーデルランド絵画の画家ハンス・メムリンクの最高傑作のひとつ。碑文も署名は残されていないものの、聖ヨハネ施療院のためにメムリンクが制作したものとされています。
描かれているのは、中世に好まれていた『聖ウルスラの伝承』。この伝説は、5世紀の英国王の娘である聖ウルスラが、1万1000人の処女を引き連れてローマに巡礼した帰路、ドイツのケルンでフン族の襲撃に遭い、殉教したというものです。
聖遺物箱には表面・裏面にローマ巡礼の様子が6枚の連作で描かれており、そのうち4枚を下にご紹介しましたが、小さい絵にも関わらず非常に緻密で写実的に描かれています。
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※写真にカーソルを合わせると、聖遺物箱の裏面になります
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